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伊坂幸太郎『砂漠』 

2007年09月11日 ()
伊坂幸太郎『砂漠』を読み終わりました。
砂漠


魅力的な登場人物、さくさくと進みながらも何か余韻を与え続ける文体。作品を読み加えるごとに伊坂幸太郎という作家が自分の好きなタイプの作家なんだな、と感じています。

大学生活って、社会という砂漠へ出て行く前の、頑丈な壁に守られた町での生活みたいなものだ、という表現が作中で登場します。細かいところは違っていますけれど。

この小説を、大学生のうちに読むのと、大学を卒業してから読むのとでは、かなり印象が違うのではないかな、と思います。町の中にいる時期に読むのか、その町から出ようとしている時期に読むのか、はたまたそんな町なんかとっくに出た人が読むのか。それぞれの「町」に対する感じ方は違うでしょうし、それがそのままこの作品に対する感じ方になると思います。

僕の場合は、大学を卒業し、近いうちに社会人としてスタートを切る、つまり砂漠へと出ていく時期なわけで、「町」に対してぼんやりとその実像が見えてきた時期なのだと思います。この『砂漠』を読むということは、自らの大学時代を振り返るということでもありました。

砂漠の怖さはまだ知らないけれど、町での生活の生暖かさと甘さは知っています。そんな町に対して、少しばかり肌に合わないと感じていながらも、感触を懐かしんでいる状態。

この作品を読んだというよりもこの作品を通して自分の内面に向き合ったという点で、読書としては異質なものになったような。

ところで、主人公の北村も含めて、作品に登場するあまりに魅力的な友人たち。さすが伊坂幸太郎、それぞれの人物描写が非常に上手くて、その魅力が一冊の本の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれています。本に出会ったのでなく、彼ら5人に出会ったような感覚になりました。

大切なこととは、何をしたかではなくて、誰と出会ったか、なんだという風に思います。この作品の中では、強盗を捕まえたり、手品の不正を暴いたりといくつもの事件が起こりますが、結局彼らが成した一番大きなことというのは、彼らがお互いに出会ったこと。それを言えるだけの関係ってなかなか築けないし、思ってもなかなか言えないもの。

ところが最高に空気が読めなくて、最高に自分に正直な彼は言いました。
「でもね、友達には恵まれたんですよ」
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[2007.09.11(Tue) 22:26] Trackback(0) | Comments(0)
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