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ジャック・ケッチャム『隣の家の少女』 

2007年12月22日 ()
<最近読み終わった本>

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)
ジャック ケッチャム Jack Ketchum 金子 浩
扶桑社 (1998/07)
売り上げランキング: 12188

1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は、隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い、一瞬にして、心を奪われる。……隣家の少女に心躍らせるわたしはある日、ルースが姉妹を折檻している場面に出会いショックを受けるが、ただ傍観しているだけだった。ルースの虐待は日に日にひどくなり、やがてメグは地下室に監禁されさらに残酷な暴行を―。(Amazonより)



書評ブログ「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」さんで何度も”最悪の読後感を味わわせてくれる小説”として紹介され、ネットでの評判を見ても”読まないほうがいい”という感想が多くでてくる小説。スティーブン・キングが絶賛するという時点でその後味の悪さは想像できるようなものですが、一体どんなものかと興味が湧いたので読んでみました。ちなみにジャック・ケッチャムは胸糞悪い小説を書かせたら右に出るものはいないというとんでもない人物。そしてこの『隣の家の少女』は彼の作品の中でも特に最悪の読後感という作品。いやもう本気で最悪でしたよ。

それにしてもこれの前に読んだ小説がマルキ・ド・サド『悪徳の栄え』だというのも考え物ですが、そういう気分だったので。寒い夜にはきつめの小説を読みたくなるもんです。

それでまあ読んでみたわけですが、確かにきつい。隣の家に住む少女が虐待され、主人公である少年はそれを見ているしかない、という話なのですが、子供ながらの無力さと、少女が魅力溢れる人間であることが重なってもうやるせないというか何というか、精神的にくる。残虐な描写がどうとかいう最悪さではなく、じくじくと心に迫る酷さ。残酷な描写の気持ち悪さで二度と読みたくないという作品なのかと思ったら、心が痛くなるから読めないという部類でした。

全体としてみれば、壊れた人間の怖さと群集心理の恐ろしさを描いた、ある意味よくできたホラー小説ではあるのですが、これはさすがによく出来すぎ。そして展開も上手すぎる。だからこそ読者は主人公に同化してしまい、一気にこの恐るべき体験を同時に体験してしまう。一晩で読んでしまいました。この小説は、読者に体験をさせる。それも最悪の体験を。

悲しさ、怖さ、やるせなさ、喪失感という全ての面で精神的にかなり辛く、名作でありつつも二度と読みたくない作品であるのはこの辺りのせいなのでしょう。

主人公の少年の、年上の少女に対する憧れ、そして性的興味をもつところから始まるあたり、この作品の真の標的は男性だとも思う。というのもそれがあるからこそ、その後の悲劇が生きてくるわけです。前半、きっと読みながらその描写にドキドキと興奮する箇所もあるはず。きっと男性なら当たり前。それが主人公の少年の感情に読者が一体化する原因となる。そして後半になり、その興奮が罪悪感となって胸に刺さってくるわけです。本当に巧い。

深くささって二度と読みたくないからこそ、人に勧めたい作品。少しでも多くの人に読んで欲しいです。きっと後悔しますから。


スゴ本さんのレビューはこちら。
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ついに「隣の家の少女」を超える劇薬を読む



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[2007.12.22(Sat) 22:05] Trackback(0) | Comments(0)
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